木村昴さんといとうせいこうさん
来週6/12に発売されるananにて、ヒプノシスマイク特集が展開されることが発表されました。
この特集での私の最大の注目ポイントは、木村昴さんといとうせいこうさんの対談です。
木村さんが時々、速水さんに対して「日本で最初にラップをした人より年上」というようなことを仰っていて、それは、いとうさんのことを指しているのでしょう。
Twitterなどでも時々交流があることが見て取れました。
「Twitter 始めて今日で8年です!」という通知が来てなんとなくその日のことを思い出してみた。今でもはっきりと覚えてる。8年前のこの日にいとうせいこうさんに「Twitter やりなよー」と言われて始めたのが、おれの Twitter の初期衝動 #MyTwitterAnniversary pic.twitter.com/nBvMVQmUhf
— 木村昴 (@GiantSUBAru) August 18, 2018
ついに先生の番組に声を添えられます!本当に嬉しいです。よろしくお願いします!
— 木村昴 (@GiantSUBAru) April 9, 2019
そしてこの4月からは「フリースタイルダンジョン」に、木村さんがナレーションで出演するようになり、審査員であるいとうさんと同じ番組のレギュラーとなりました。
私は15年くらい前からいとうせいこうさん周辺のミュージシャン(レキシ、□□□など)を好きになることが多く、木村さんもどういう経緯で先生と呼ぶようになったのかに興味をもっていました。そこへ、今回のanan対談なので、早く読みたくてたまらないのです。
いとうせいこうさんの日本最古と言われるラップは1985年の「業界こんなもんだラップ」です。
続けて挙げたのが1986年リリースのアルバム「業界くん物語」に収録された「東京ブロンクス」です。
どちらも30年以上前なんですけど、韻を踏み、スクラッチを入れ、ヒューマンビートボックスも披露し、ガッチガチのラップ曲です。
その後、いとうせいこうさんは本を書いたりテレビに出たりと、あまりラップと関わりがなくなったように見えたのですが、
2009年から□□□(クチロロ)に参加し、ラッパーとして活動しています。
先ほど挙げた木村さんの tweetもこのタイトルから引用して「初期衝動」と入れていますね。
冒頭にアカペラでいとうさんが語るフローは80年代の日本語ラップが始まったときの様子が描かれていて、当時の熱さが生々しく感じられると思うのです。
クチロロメンバーの三浦康嗣さんはヒプマイにおいても、山田三郎の「New Star」、Buster Bros!!!の「Ikebukuro West Game Park (Boyz Sunshine remix)」、「おはようイケブクロ」に参加しています。
ヒプノシスマイク「おはようイケブクロ」Buster Bros!!!
木村さん→いとうさん→三浦さんというつながりが感じられます。
最近のいとうさんですが、「いとうせいこう is the poet」というポエトリーリーディングをしたり、ドラマに校長先生役で出演したりしています。
いとうせいこうさんは、木村さんのラップ好きに影響を与えた人物でしょうから、今後も木村さんを通してヒプマイにも何かしら影響があると思います。
「シノギ」のオマージュ元 + MTC小ネタ
私のTwitterタイムラインにこういうtweetがありました。
たぶんこれがシノギのオマージュ曲です
— ノ🦈⚓️青海B/ア28a (@_nrchyp) April 25, 2019
あとケンラマご存知のフォロワーさんも言ってるから間違いねえ…というか6〜7割くらいシノギです〜サマとじゅとのフロウはまんまこれかと…良かったら聴いてね
Swimming pools /Kendrick Lamarhttps://t.co/keQEaOoHkw
tweetにあったKendrick Lamar の「Swimming Pools」を実際聴いてみたところ、雰囲気がかなり近いです。
このトラックに載せて「ハマにーハマれー」と言っても違和感無いでしょう。
Kendrick Lamar - Swimming Pools (Drank)
MAD TRIGGER CREWで言うと、もう一つ気に入ってるネタがあります。
Mad Trigger Crew→ マットリはマトリ(麻薬取締官)から来てるのかね(麻取は警察じゃないけどね)ってとこはとっくに出てたんだろうなー。クルーはカルチャー界隈からかなー。なんてボンヤリ思ってたんだけど………待てよ……??? pic.twitter.com/FeC91vQGW1
— めみまつ (@memimat) April 8, 2019
MAD TRIGGER CREWは、藤子不二夫A先生の漫画「魔太郎がくる!!」に発音が似てますよね。
・マタロウガクル
・マットリガクルー
このためにCREWを付けたのではないか説、です。
さらにもう一つ。私が最近気づいた説です。
毒島という苗字ですが、ハロルド作石先生の漫画「ストッパー毒島」から取ってる説です。
ただ、作中に出てくる野球チーム「京浜アスレチックス」の本拠地はヨコハマではなさそうなので、決め手に欠けている状態です。
ヒプマイ楽曲の作者一覧④ アルバム収録分
2019年4月24日発売のアルバム収録分
公式:
https://hypnosismic.com/music/enter-the-hypnosis-microphone/
ヒプノシスマイク Division All Stars「Hoodstar」
「Enter the Hypnosis Microphone」
1.Hoodstar / Division All Stars
作詞・作曲・編曲:invisible manners(平山大介・福山 整)
2.ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- / Division All Stars
作詞・作曲・編曲:invisible manners(平山大介・福山 整)
3.おはようイケブクロ / Buster Bros!!!
作曲:三浦康嗣(□□□)・好良瓶太郎 編曲:三浦康嗣(□□□)
4.IKEBUKURO WEST GAME PARK
作詞:好良瓶太郎 作曲・編曲:月蝕會議
5.シノギ(Dead Pools) / MAD TRIGGER CREW
作詞・作曲・編曲:ALI-KICK
6.Yokohama Walker
作詞:peko 作曲・編曲:ist
7.Stella / Fling Posse
作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:ESME MORI ・ 弥之助(from AFRO PARKER) 編曲:ESME MORI
8.Shibuya Marble Texture -PCCS-
作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:Avec Avec・弥之助(from AFRO PARKER) 編曲:Avec Avec
9.パピヨン / 麻天狼
作詞:岩間俊樹 (SANABAGUN.) 作曲:大林亮三 (SANABAGUN.)
編曲:岩間俊樹・大林亮三
10.Shinjuku Style ~笑わすな~
作詞:Mr.Q・山☮マン(ラッパ我リヤ)
作曲:安藤健作(noTOKYO)・hatch(Mellow Monk Connection)
編曲:ラッパ我リヤ
11.T.D.D LEGEND
作詞:Kohei by SIMONSAYZ 作曲:Kohei by SIMONSAYZ・R·O·N 編曲:R·O·N
12.ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-
作詞・作曲・編曲:invisible manners(平山大介・福山 整)
現時点でアルバム発売一週間前ですけど、どんな曲が入っているのか楽しみです。
前のまとめはこちら↓
ヒプマイ楽曲の作者一覧③ MTC VS 麻天狼、The Champion
Battlent Season後半、横浜vs新宿、The Championの分。
「MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼」
M-1 DEATH RESPECT
作詞:KOJIMA 作曲・編曲:山嵐
M-2 IKEBUKURO WEST GAME PARK(Boyz Sunshine remix)
https://youtu.be/kR3jxAdgIyA remixed by 三浦康嗣(□□□)
作詞:好良瓶太郎 作曲:月蝕會議
M-3 Yokohama Walker(Triple Trippin’ remix)
https://youtu.be/0oK_gBUXYoI remixed by hara(from HyperJuice)
作詞:peko 作曲:ist
M-4 Shibuya Marble Texture -PCCS-(Candy Dazed remix)
https://youtu.be/_Oha33rZwBE remixed by DJ KENTARO
作詞:弥之助(from AFRO PARKER) 作曲:Avec Avec・弥之助(from AFRO PARKER)
M-5 Shinjuku Style 〜笑わすな〜(Nerve Rackin’ remix)
https://youtu.be/1zhptp4qoh0 remixed by DJ BAKU(KAIKOO)
作詞:Mr.Q・山☮マン(ラッパ我リヤ) 作曲:安藤健作(noTOKYO)・hatch(Mellow Monk Connection)
ヒプノシスマイク「MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼」より「DEATH RESPECT」/MAD TRIGGER CREW・麻天狼
「The Champion」
M-1 The Champion
Producer:Zeebra Co-Producer:理貴
M-2 T.D.D LEGEND/The Dirty Dawg
作詞:Kohei by SIMONSAYZ 作曲:Kohei by SIMONSAYZ R・O・N
編曲:R・O・N All Instruments:R・O・N Sampling Voice:Kohei by SIMONSAYZ
ヒプノシスマイク シンジュク・ディビジョン麻天狼「The Champion」Trailer
ヒプノシスマイク The Dirty Dawg「T.D.D LEGEND」Trailer
前のまとめはこれ↓
「証言」
シンジュク優勝曲の詳細が発表されましたね。
ZEEBRAさんの曲がカッコいいので、何回も動画再生しています。
ヒプノシスマイク シンジュク・ディビジョン麻天狼「The Champion」Trailer
さて、この曲「The Champion」と同時に、CDに収録されるドラマトラックの題名も公開されました。
それが、「Me Against The World」と「証言」です。
ひとつ目の「Me Against The World」の方は、既にYouTubeでフル公開されていますね。
ヒプノシスマイク Drama Track「Me Against The World」 - YouTube
そっちの考察もしたいのですが、今回取り上げるのは「証言」の方です。
この記事で言いたいことは1つ。
「証言」という題名は、理由があります!!
日本語RAPにおいて、「証言」という曲はクラシックとして有名です。
もとはLAMP EYEが1995年にアナログでリリースした曲で、8人のMCが順番にうたう、いわゆるマイクリレーという形式です。
(ヒプマイではバトルアンセムがマイクリレー形式ですね)
「証言」には他グループから、YOU THE ROCK★、G.K. MARYAN、ZEEBRA、TWIGY、DEV LARGEという、錚々たる顔ぶれのMCが参加しました。
リリックは、日本語RAPシーンに檄を飛ばす内容です。
すごいエネルギーでうたっているので、動画をご覧いただきたいです。
LAMP EYE - 証言 (さんぴんCAMP) (LIVE)
この映像は、曲がリリースされた翌年のイベント「さんぴんCAMP」での様子です。
イベントの最後の方で披露されたこともあり、客席も舞台上も熱い!!
イベント前年に出た曲なので、もうみんな知っている曲ですし、イベント出演の各グループからMCが集まっているんです。
日本語RAPが少しずつすそ野を広げて、大きなイベントを開催に至った、その盛り上がりの最高潮の部分と言えます。
その後、「さんぴんCAMP」のライブビデオと、「証言」のCDバージョンは同じ日に発売されました。そのくらい、イベントを象徴する曲なのです。
で、話をヒプマイに戻します。
今回のCD「The Champion」は、ZEEBRAさんが作った曲と、「証言」というタイトルのトラックが入っています。
やはりヒプマイは、さんぴんCAMPをオマージュした世界観であると断言できます。
ヒプマイから入って日本語RAPをたくさん聴くようになって、さんぴんCAMPは90年代中盤のピークというのがよく分かってきたので、ヒプマイ自体の盛り上がりと重なって見えます。
ヒプマイからどんなメッセージが込められたドラマが入っているのか、聴くのが本当に待ち遠しいです。
蛇足ですが、私は以前の記事でも、ヒプマイの世界観のモデルとして1996年に行われたHIPHOPイベント「さんぴんCAMP」が挙げられると書きました。
「中王区で行われるバトル」ってのは、このさんぴんCAMPもイメージに含まれているのではないかと思います。
シンジュク・ディビジョンの苗字の元ネタ - ヒプマイの元ネタを集めるブログ
この予想がおおかた当たったようでうれしいです。
入間銃兎のラップスタイル
先日の、第一回韻踏闘技大会、優勝はシンジュクディビジョンでしたね。
その、決勝曲となった「DEATH RESPECT」を聴いていて、気づいたことがあります。
ヒプノシスマイク「MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼」より「DEATH RESPECT」/MAD TRIGGER CREW・麻天狼
入間銃兎、DOTAMAさんのうたい方に似てきたのではないでしょうか。
以前から、高いクリアな声質が似ているとは思っていたのですが、更に鼻につく感じというか、イヤミな感じというか、そういう部分が前よりはっきり出ていると思いました。
上の動画でいうと、50秒ごろの「威圧は通じませぇん」の言い方が顕著です。
そこが似てると思ったのが、下の曲の1分30秒ごろ「誠に申し訳ありませぇん」の言い方ですね。
DOTAMA「謝罪会見」(Official Music Video)
DOTAMAさんのほうが高めのキーですが、雰囲気が近いと思ったのです。
以前にも、DOPPOのモデル説でこの曲を引用しているので、二度目の登場になりました。
(DOPPO(観音坂独歩)のモデル - ヒプマイの元ネタを集めるブログ)
声優さんたちも、いろいろなラップを聴いて勉強されているようなので、入間銃兎を演じる駒田さんがこの曲を聴いたのかも知れないと想像しています。
11/17 3rd LIVEオダイバ《韻踏闘技大會》ゲストアクト
ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 3rd LIVEオダイバ《韻踏闘技大會》ライビュで見てきました!!
やっっっと、声優さんたちのライブの様子をちゃんと見ることができましたよ。
今回の3rd LIVEには、サイプレス上野とロベルト吉野さん(略してサ上とロ吉さん)と、ラッパ我リヤさんの二組がゲストアクトに来てくれました。
サ上さんは、碧棺左馬刻の「G anthem of Y-CITY」の作詞担当ですね。
今回は残念ながら左馬刻役の浅沼さんがいらっしゃらなかったので共演は見られなかったですが、少しうたってくれました。
そんなサイプレス上野とロベルト吉野さんが披露したのが、この曲でした。
サイプレス上野とロベルト吉野「ヒップホップ体操第二」 (Official Music Video)
ラップに合わせて両手を挙げ、手をたたき、初めてのお客さんも参加しやすい曲です!
個人的には今年二回目の体操で、映画館でも手を挙げて楽しめました。
11/28には、キングレコードからアルバム「ドリーム銀座」も出るそうです。
今日のステージ衣装は、このアルバムジャケットと同じでしたね。
キングレコードと言うことは、ヒプノシスマイクと同じレーベルですね。
そして、ライブの終盤に登場したのがラッパ我リヤさんでした。
ヒプマイでは「Shinjuku Style~笑わすな~」の作詞担当です。
今日のライブでは、麻天狼の3人が披露していたのですが、作詞したご本人がいるというプレッシャーの中で演じていたわけですね。
そして、ラッパ我リヤさんはこの曲を披露されました。
ラッパ我リヤ「ヤバスギルスキル 10 feat.韻踏合組合」【Music Video Short Ver.】
ハードなトラックで、韻を重ねて、ラッパ我リヤさんの王道とも言える曲でした。
二組とも、客席がほとんど女性でライト振ってるという、滅多にない状況での演奏を、とても楽しんでいる様子でした。
HIPHOPのお客さんは男性が多いですし、振るものは大体タオルだけなので、カラフルに光る客席はライビュの映像でも壮観でしたよ。
今後もヒプノシスマイクはライブが予定されているようですから、どんなゲストが来てくれるのか楽しみです!
TOKYO TRIBEの影響
ヒプノシスマイクの世界観を考えるうえで、必ず通るのが「TOKYO TRIBE」という作品です。
コミックが原作で、アニメ化と実写映画化と、舞台化された作品です。
私は映画版を見ました。
この作品では、トーキョーの中にいくつかの地域ごとの“族(トライブ)”があって、若者が徒党を組んでいます。
作中に出てくる族は、ムサシノ・シンヂュク・シヴヤ・ブクロなど。
それぞれ族ごとに、メンバーの雰囲気やファッションに特徴があって、全員HIPHOPの文化をベースに生きています。
つまり、ラップで白黒つけるような世界です。
映画版の特報が、世界観の説明には手っ取り早いでしょう。
ここまででかなりヒプノシスマイクに近い世界観なのが伝わると思います。
この「TOKYO TRIBE」という作品から、ヒプノシスマイクの「ディビジョン」や「テリトリーバトル」という仕組みが出来たのだろうと想像されます。
トライブをそのままディビジョンと言い換えても良いくらいです。
仕組みやルールだけでなく、作品自体の雰囲気なども近いものがあるので、ヒプノシスマイクの世界観を深めたい方は、見てみると面白いと思います。
(ただ、けっこう露骨に暴力描写やエッチな表現があるので注意です。)
映画にも舞台にも本物のラッパーが起用されているので、曲がかっこいいですよ!!
ヒプノシスマイクとの直接的な接点で言えば、「BATTLE BATTLE BATTLE」を曲提供しているKEN THE 390さんも舞台版に出演してます。
「TOKYO TRIBE STAGE 」 KEN THE 390オリジナルラップPV
いちおうヒプマイはこれ↓
ヒプノシスマイク「Fling Posse VS 麻天狼」より「BATTLE BATTLE BATTLE」/Fling Posse VS 麻天狼 - YouTube
こうやって並べてみると同じ人が作詞しているのも納得できる気がします。
有栖川帝統のモデル
Fling Posseの有栖川帝統のキャラクターについてです。
他のキャラ同様いくつかの要素から出来ていると見られるのですが、
「ダイス」という名前の元ネタと思われるラッパーを紹介します。
↓に動画を載せていますが、YOUNG DAISさんという方です。
YOUNG DAIS "One in a million" (Official Music Video)
名前がそのまま「ダイス」なことが一つの理由。
もう一つ、彼は役者もしていて、「TOKYO TRIBE」という映画に主演しています。
この原作の漫画は、トーキョーを舞台に、シンジュクやイケブクロやムサシノといった地区ごとの縄張り争いを描いています。
戦いは暴力ではなく、ラップで決着を付けます。
つまり、ヒプマイの世界観に多大な影響を与えたであろう作品なんです。
「帝統」の名前の読みはこのYOUNG DAISさん由来ではないかと思っている理由はこの二点です。
ここからは完全に私の主観ですけど、YOUNG DAISさんの声質が、帝統に似てると思うのです。
ちょっとハスキーで語尾の強い感じが近いと思いませんか。
YOUNG DAIS「Freefall - Official Video」
キャスティングの時に、声質の似てる方を探したのだろうかなどと思ったりしていました。